「墓地を買う」とは
通常、住宅地等土地を「買った」という場合、文字通りその土地は購入者の所有物になります。他の誰のものでもありません。
しかし、墓地を「買った」という場合、墓地の土地(区画)は購入者の所有物になったわけではないのです。
その墓地全体の土地は依然として墓地運営者の所有に属しており、購入者(消費者)は墓地内の指定された区画について、永代使用権を得たということになります。
どんな石なのか?説明してくれるか
墓石の材料の石材も、現代では日本各地の石や世界各国から輸入した石が使われるようになっています。産地や種類によって、石材の品質にも大きな違いがあります。
この場合石の品質とは、吸水率や強度、硬さなどが墓石に適する性質かどうか、ということです。墓石に適さない性質の石でお墓を作ると、建てて数年でお墓がひび割れてしまったり、変色してしまうこともあります。
意外に思われるかもしれませんが、目の前の墓石の材料である石が「どこで産出された・どんな性質を持つ石か」ということを、詳しく説明してくれる石材店は少ないのです。
大切なお墓になる石のことですから、素性や性格のわかる石を使いたいですね。
墓地の永代使用権とは
「墓地を買う」とは「墓地の永代使用権を得る」という意味だとわかりましたが、では、永代使用権とは何でしょうか?
永代使用権とは、簡単に言うと、購入者の子孫が代々その墓地の区画を使い続けるという権利です。
その区画に墓石を建て、家族が亡くなって納骨が必要になるごとに、遺骨を納め続ける権利ということになります。
つまり、購入者は墓地の区画の所有権は買うことができませんが、永遠に使い続けられるのですから、お墓の区画所有しているのと同じことだと言うことができるのです。
「永代使用」というと「永遠に使い続ける」イメージですが、実際には永久に使い続けられることが保証されるわけではありません。
例えば、墓地を使用している家族に跡継ぎがいなくなって途絶えてしまったら、無縁墓地として遺骨は改葬され、墓石は撤去されてしまいます。 また、公営墓地や民間霊園では、毎年の管理料を滞納すると利用権を剥奪され、やはり遺骨の改葬と墓石の撤去が行われてしまいます。
こういった事情を考え、「永代使用」という言い方を変え、「お墓を買う」という表現も使わないようにしようと運動している人もいます。
皆さんも、「お墓を買う」前に一度よく考えてみることをオススメします。
墓地を買うときに払うなお金
公営墓地
市町村などの地方公共団体が設置・運営している墓地です。市営墓地・市民墓地等の名称がついており、ほとんどの場合、申込み先は市町村の担当部署になります。(まれに、公社等に直接申し込みすることもあります)
利用料は寺院墓地・民間墓地に比べて割安なことが多く、特定の宗教を信仰していなくてもお墓を建てられますが、墓地の運営者である市町村内に居住していることが原則です。過疎地などでは、居住者でなくとも申込みを受け付けている公営墓地も、少ないながら存在します。
共同墓地
市町村よりもっと小さな単位の、村落・町内会単位で設置・運営している墓地です。申込みは、共同墓地の管理組合があれば管理組合、無ければ町会の会長等が受け付けています。
共同墓地は、公営墓地より更に利用料が安い場合が多く、中には利用料が無料という墓地もあります。
但し、利用者は「お客様」ではなく共同墓地の運営者・管理者でもあるという位置づけになるので、設備が充実していることは珍しく、墓地内の草むしり・ゴミ拾い等の活動への参加が義務付けられている場合もあります。
町会のしがらみや、墓地整備のための活動への参加を嫌う若い人には不人気なようです。
寺院墓地(寺墓地)
いわゆる昔ながらのお寺の墓地です。
設置・運営はお寺が行っており、そのお寺の檀家・信徒になることが条件になっている場合がほとんどです。ごくまれに、檀家・信徒でなくともお墓を建てさせてくれるお寺もあります。
寺院墓地を購入する場合に注意が必要なのは、墓石工事を行う石材店はお寺が指定した業者のみという場合が多いことです。
折角お気に入りの石材店があっても、お寺(墓地)で指定した業者でなければ工事ができないことがあるのです。
民間墓地(私営墓地)
民間の非営利法人が設置・運営している墓地です。
景色の良い郊外の土地に広がる大きな公園墓地から、都心から近い電車でお参りできる小ぢんまりした墓地まで、規模は様々です。
無宗教でもお墓を建てられる点や、清潔なトイレ・売店やレストラン等の施設が人気です。
サービスや設備が整っている分、利用料はやや高めです。